Fly Fishing記事 | ティムコ

アンダーハンド釣行記

2011.02.08

ランニングラインの話

シューティングヘッドの釣りで必要になるランニングライン(シューティングライン)の選択に関しては様々な種類があり、初心者の方は選択に迷ってしまうことが多いと思う。アンダーハンドもSTヘッドを用いるキャストなのでランニングラインを使う。以前からある通常のループランニングライン029(ブルー)、032(オレンジ)、035(グリーン)に数年前からコアの伸びにくいリフルランニングライン029、032、035(全てイエロー、太さがわかるように溶着ループで色分けされている)が加わった。リフルランニングラインはとてもしなやかで寒い時期の釣りでも巻癖がほとんど気にならない。ただし同じ029でも実際はリフルランニングの方が径は太い。

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一般的に日本ではモノフィラのランニングラインが多く使われている。モノフィラは大変すべりが良く、空気抵抗の少ないシンキングラインと組み合わせると、どのようなスタイルのキャストでも凄い飛距離を可能にする。もちろんアンダーハンドでも。また川でシンキングのヘッドを使って手前側のランニングラインを空中に維持できることも可能だ。

アンダーハンドでのシューティングラインの選択の考え方は以下のようになる。
①ライン番手が低くなるほどランニングラインも細くなっていく。(DH11番なら035、DH9番なら032、DH6番なら029)
②フライが大きいほどランニングラインは太くなっていく。(コントール性をあげるため。たとえばDH7番でもフライが大きければ032を使う。)
③余分なランニングラインはカットしてしまう。(30mで長いなら必要最低限の25mという感じ、これがカスタムランニングラインの意味。全体のシステムを軽量化できる)
④遠投したければランニングラインは細くなっていく。(ガイドの摩擦抵抗などが減るため。ただしバランスの限界点を超えるとヘッドはループの形を崩して飛んでいく。)
⑤ソフトプレゼンテーションしたければランニングラインは太くなっていく。(ガイドの摩擦抵抗を大きくしターンをコントロールしやすくする。)

さてランニングラインは巻癖がつかない方がいいのは間違いない。そのためラージアーバーリールを使うとかなり効果的だ。オプティスピードランナーやメガループはすばらしい!一度使うと径の大きさはぜんぜん気にならない。ではランニングラインは細ければいいか?この部分が問題だ。バッキングやヘッドのコアの強度とのバランスもある程度は大切だが、ランニングラインはガイドの摩擦抵抗を減らせば減らすほどヘッドが暴れリーダーターンのコントロールしにくくなってしまうという面を持っている。ランニングラインを太くして、その摩擦抵抗でフライのターンのコントロール性能を上げることもあるのだ。たとえばフローティングのSTヘッドにモノフィラのランニングラインを組み合わせてキャストがうまくいかなくなった経験を持っているフライマンは多いと思う。
同じ番手でもフローティングはシンキングよりも径が太く、飛行中の空気抵抗が大きくなる。一方モノフィラは摩擦抵抗がほとんどないため、空気抵抗で飛行速度が上がらないフローティングと抵抗がほとんどなく行こうとするモノフィラのお互いの特性が違うからだ。次にこのヘッドをシンキングに変えると、抵抗のないものどうし相性が良くなる。フライラインは飛行するループの上側のラインが下側のラインよりも早くないとループが壊れてしまう。つまり下側にあるランニングラインが走り過ぎてしまうとループは崩れ、ターンはコントロールし難くなるのだ。この考えをベースにランニングラインを選択するといいだろう。大切なのはフライ、リーダーまで含めた全体のバランスだ。迷った時はシンプルな法則に戻るといい。どのランニングラインがベストかというよりもどのランニングラインが望む釣りでバランスがとれるかという風に。

 

近藤記

 


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