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アンダーハンド釣行記

Fly Fishing社員ブログアンダーハンド釣行記 シューティングヘッド&ラージアーバーの北欧旅・アトランティックサーモン

2013.08.23

シューティングヘッド&ラージアーバーの北欧旅・アトランティックサーモン

6月末にアトランティックサーモンを釣りにノルウェーに行ってきた。釣りと言ってもヨラン・アンダーソンサーモンスクールだったので、アトランティックサーモンの釣りを勉強する旅だった。後輩の松下君と2人で参加したのだが、他にもアメリカとスイスから2名ずつ参加していて計6名で1週間の合宿のようだった。

GASSはすばらしい

ヨラン・アンダーソンはシューティングヘッドを使ったスカンジナビアンスタイル(オーバーヘッドもアンダーハンドも同じタックルで可能)と称されるアンダーハンドキャストで有名だが、1952年に世界初のシューティングヘッドを作ったり、1970年代に世界初のラージアーバーリールのデザインをしたり、フライフィッシングの世界で革新的なことを推し進めてきた1人だ。またアトランティックサーモン釣りでも豊富な経験を持ち、ウェイディングのみのノーアシストで7キロ以上のサーモンを5000尾以上ランディングしている。7キロ以下はノーカウントなので万を超える経験だ。

ヨランのキャスト
 

さてスクールということで毎日朝10時からヨランの講義が4時間ある。サーモンの性質や釣り方、アンダーハンドキャスティング、フライ選択、ファイティング、ランディング、潮などを学ぶ。サーモンが跳ねていてもキャスティング練習したりする。

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釣りは毎日5時間くらいするのだが白夜ということもあり、暗くなるのは1日のうち2時間ほどで、いつが夜なのかわからなくなり、短い眠りと釣りを交互に繰り返すことになり、次の日の講義に寝坊しそうになってしまう。今年のノルウェーはサーモン釣りが非常に難しい状況で数日するとはっきりとコンディションの悪さが認識できた。遡上も少なく、大渇水でポイントは限られてしまい、なかなか釣れないのだ。

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しかしそんな中でもヨランの教えてくれたテクニックは効果的だった。フローティングのヘッドで90度角度変換してロッドを持ちかえたりしながら下流にロッドティップを向けてフライをドリフトさせ、その後、高速スイングをさせるというやり方だ。もちろん他にもいろいろなテクニックがあるが、まずはこれを覚えればとても心強いのだ。事実、スクール中にこのテクニックを使いローテーションで1番手に釣り下った松下君にドカンときた。

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サーモンはジャンプし下流にくだること数回、その後は川底にへばりつく。それをロッド操作でいなして徐々にランディングに向け準備する。クロスS1の9番はとてもいい仕事をしていた。それから数日、シートラウト以外は釣れず数日後に雨が少し降った。

ひとときの夜

コンディションが幾分改善するとサーモンはドカンときた。とはいえ渇水でサーモンは非常に怯えていたのでフローティングのヘッドにLOOPサーモンリーダー17ftを使って音をたてずに静かに釣りをした。

雨の恵み
 

ヨランはいろいろなことを教えてくれたがまた来年も来るようにとのことでしばらくノルウェーに通うことになりそうだ。この釣りは、つり人社フライフィッシャーにも掲載されているので興味のある方はご覧ください。

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さて、北欧近辺ではサーモンを釣るだけならロシアのコラ半島やアイスランドが、数がたくさんいるのでお勧めのようだ。有名な川を除けばノルウェーは数が減るようだがノルウェーは特大に出会える可能性が高いとのこと。しかしヨランはこう言う「サーモン釣りは簡単だ。頭を使え。サーモンをスプークさせずにプールに留めさせるんだ。スプークさせると居心地が悪くなり、すぐに上流に行ってしまう。ずっとキャストし続けてはだめだ。キャストの回数を減らせ。風が変わったら、雨が降ったら、何かが変化したら数投だけしろ。そうすればサーモンは簡単に手にすることができる」と。

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さて90度角度変換(90度方向転換=下流に流れきったラインを直角に対岸に向け投げ直す)はアンダーハンドでアトランティックサーモンを釣る上で必携のテクニックのようだ。しかしラインを折りたたんだり水面に着けたりせずに(サーモンがたくさんいればいいですが基本的に人影や音に敏感で逃げます)行うのは、初めはとても難しいと思うがシューティングヘッド&アンダーハンドの基本動作がこの90度を簡単にするものなので是非練習してみてください。シューティングヘッドはバックスペースを最小限に抑えることができ、下手を引く動作が飛行するラインを平行に飛ばすことを可能にします。90度でシュートしてシュート動作終了後にヘッドとランニングラインが平行ループでゆっくり飛んでいきリーダーターンするキャストを安定してできれば釣れたのも同然です!

近藤記


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