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Trout Fishingプロスタッフフィールドインフォ 小林祐二 「渇水の渓と晩夏アマゴ」

2023.09.12

小林祐二 「渇水の渓と晩夏アマゴ」

梅雨明けからの連日の猛暑で例年以上の渇水状況の川はどうなっているのか?そんな事を思いながら8月末の渓流を歩いてきた。その時の様子と夏の渇水時の攻略法を書いてみる。

 

先ずは川選びから。皆さんは夏の渇水期に何を基準に川選びをするのだろうか?もちろん少しでも水量が多い河川を選ぶのは当然だが、渇水していてダメだなんて思う場所でも水温が低ければ活性の高い元気な魚が居る。例えば本流であれば支流が注ぐエリア。湧水や伏流水があって水温が上がりにくいエリア。本流よりも支流を選択する。標高の高い河川、谷へ行くなど。探せば夏場でも案外水温が低い場所がたくさんある。そんな場所を探してほしい。きっと思わぬ釣果に恵まれる事だろう。

 

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次に使用するルアー。当然水深が浅いエリアが多くなるため、表層を引けるルアーが有効になる。また夏場の渓魚は水面を流れてくる餌を多く捕食しているので上を意識している。ルアー重量も比較的軽めの物が着水音が静かで魚の反応が良い。ミノーで言えばラウド45Sやラクス50S、ルレイ62Sなどが使いやすい。また軽量スプーン(〜3g位まで)で表層をサーッと引いてくるのも有効だ。そして今回活躍してくれたのがプロトのフローティングミノーである。実は私は夏場のフローティングミノーの釣りが大好きなのである。

 

当日選んだ場所は大きなダムの下流で、夏場は放水量が少なく渇水するのだが、その水がとても冷たい。入渓地点の水温は支流からの流れと混ざり16度。良い条件である。退渓点まではおよそ3時間位の遡行で、アマゴとイワナが混生するエリアを釣り上がって行く。

 

まず始めに結んだのはラクス50S。潜航深度が比較的浅めなので底を叩かないだろうと思ったが、予想以上に浅い場所が多く使いづらい。全体的に水深が膝までもない場所が多く早速プロトのフローティングミノーの出番となった。チャラチャラな瀬でも難無く引いてこれるのがフローティングミノーなのである。「あぁバッチリだな」なんて思っていると早速かわいいアマゴがヒットしてくれた。

 

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水温が低いためか魚の追いは良い。しかし、やはり渇水の渓。魚が着いている場所が難しい。石周りの小さなスポット、ボサ際のシェード、ヒラキの小さな窪みなど見過ごしてしまう様な場所に多く居着いていた。パターンが分かればそこを重点的に打って行くだけ。小型ではあるが飽きない程度に釣れてきてくれた。

 

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しかし数は釣れるのだがサイズが上がらない。次第に退渓点が近づいてくる。この川はこんなものかと思い始めていた頃に小さな支流との合流点に出た。大場所とまでは言えないが腰くらいまでの水深があり流れが効いている。パターンから言えばきっと難しいところに魚がついているはず。対岸のボサ下ぎりぎりにそっとフローティングミノーを落とす。

 

アクションを入れた直後に下から食い上がってきた。上手くフッキングが決まり、なかなかの引きをみせる。ほどなくして上がってきたのは暑い夏を乗り越えた良型アマゴ。精悍な顔立ちをしている。この魚を最後に気分よく川を後にした。

 

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近年は市場にフローティングミノーが少なく、もしかしたら使ったことがないユーザーもいるかもしれない。ぜひ一度、この夏場のフローティングミノーに対する魚の反応を体験してほしいと思う。

 

【タックルデータ】

ロッド:エンハンサー51ML-2TW
リール:2000番ハイギア
ライン:ゴーセンワイルドジャークPE0.6号
リーダー:ゴーセンライトゲームFCリーダー6lb
ルアー:ラクス50S、プロトミノー52F

 


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