波ひとつ無い鏡の様な水面で小型のカディスを捕食しているフィールドでの話です。50センチほどのコンディション抜群なブラウントラウトが鏡の様な水面に乗っている#16番ほどのカディスを音も無く静かに吸い込むようにディンプルライズをしていました。
「いただきます!」と思いながらフェイバリットパターンとして使用していたテントウイングカディスを静かにプレゼンテーションしました。すると、ゆらゆらとゆっくりとした動きで疑いも無くブラウントラウトは吸い込みましたが空振りしたのです。おかしいなと思いながらも気を取りなおして次の魚を狙いましたが結果は同じでした。残念ながらその後ライズが止まりその日の釣りは終了してしまいました。
何故フッキングに至らなかったのかを検証し次こそはと今回紹介したフライを使ってみたところ釣る事が出来ました。フッキングしなかったテントウイングカディスにはヘンハックルの裏側にテープを貼って折り曲げてウイング状に整形したものでした。出ることは出たのですがあまりにも少ない吸引力で捕食していた為に硬く抵抗のあるウイングでは吸い込まれなかったのです。
そこで吸い込みやすいようにCDCをウイングに使用したところ成功に結びつき、この日を境に私のフェイバリットフライのひとつとして今でもフライボックスに忍ばせているフライとなりました。下の動画でタイイングをご紹介していますので、ぜひお試しください!
嶋崎了