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Fly Fishing社員ブログ 嶋崎了の開発後記 「渓流でのテクスチャード・フライライン」

2014.03.12

嶋崎了の開発後記 「渓流でのテクスチャード・フライライン」

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2007年のシャークスキンの登場によってフライラインの可能性に新たな概念が生まれた。従来のつるつるとした表面を特殊な立体的パターンに加工する事でいくつかの利点を産む事に成功した。そのメリットとしては:
 

・ 面ではなく点でガイドやブランクに接するため滑り性能が上がり持続すること

・ ドレッシングなどを施す必要が無く、メンテナンスフリーであること

・ 水面に高く浮き、浮力が向上することで水切れが良いこと

さらに面白い特徴として、高くは浮くが表面のパターンが水面を捉えることでドラッグヘッジ効果が高まることも利点の1つと私は認識している
 

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シャークスキンのキャスティング性能は特筆すべきものがある。ただ実際のフィールドではシャーという音が個人的にはやや気になる場面もあった。一方のテクスチャードは表面がエイ肌の様な、マイルドなシャークスキンと言う感じだ。シャークスキンの利点もマイルドに生かされている。さらに今年新たに発売されるシャークウエーブは先端のテーパー部だけにシャークスキンを用い、その後ろからはテクスチャードを採用した画期的なラインとなった。

Jストリームラインとテクスチャードの融合

そこで、好評のJストリームラインにテクスチャード加工を施してみた。Jストリームラインは素材にスープラのマテリアルを使用し、先端部にDTT(ドライティップ・テクノロジー)が施されている。ラインウエイトも通常よりも若干重たくし、投射性が有利になっている。これは日本の渓流を意識して先端部を浮くようにし、特に近距離の投射性を考えた結果だ

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テクスチャード・Jストリームライン実釣テスト

実釣での私のインプレッションをお伝えしたい。

使っていてまず一番に良いと感じるのはメンテナンスフリーだったことだ。これは釣行回数が多い私にとっては何よりありがたい事だった。通常のラインであれば何回か使用すると滑りが悪くなり、ドレッシングを施さなければならない。使えば使うほどドレッシングの回数は増え、一日で3度くらいは当たり前になってくる。使っていて滑りが悪くなってきてもすぐにはドレッシングしないので、不快な時間帯も一日の中にはあるというのが現実の釣行ではないだろうか。しかし、Jストリーム・テクスチャードは一度もドレッシングをせずに使用出来たことは、釣りにとって快適極まりない事だと感じる。メンテナンスフリーと言う事だけでも、今年は出番が多いだろう。

次に良いと感じる点は投射性の良さだ。ただでさえ投射性の良いJストリームラインだが、滑りが向上した事で更に良くなった。滑りが良いからラインスピードが上がり、結果ロッドが曲がり飛んでいくと言う事だ。5~7ヤードの釣りでは特にその効果が感じられ、日本の渓流域では有効に機能する。そして先端部のDTT(ドライティップ・テクノロジー)。これは単純に言えば空気やガスを閉じ込めたマイクロバルーンをラインに混入させることで、さらなる浮力を稼いでいる。

今年ラインの買い替えを考えられている方がいたら、ぜひ選択肢の1つとして考えて頂けたらと思う。

嶋崎了

 


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