先日北海道に行っていた際に、レインボーを探して川をいくつか回っていた。私が回っていた区間では水温が高い川が多く、ウグイのヒットが続いた。レインボーがどこへ行ってしまったか探し切れていなかった。
そんな中、あまり目をつけていなかった川へと入っていくと、ほかの河川より水温がいくらか低い。この川ならばと思うとやはりこの川にはレインボーがいた。サイズはそこまででもないが、要所要所でヒットしてくれる。背びれの先が不思議な色になっているオシャレな1匹にも出会った。
ここまでライトニングウォブラーでのアプローチだったのだが、アピールを変えてみようとルアーをラクス60Sにチェンジ。砂地のポイントのかけ下がり沿いのショルダーに向けてルアーを流し込んでいく。中層から下の層を泳ぐルアーの動きが止まった。アワセを入れると重量級の魚が猛ダッシュ。見事なジャンプを2回見せてくれたあとにフックアウト…
ドラグを締めすぎていたのが分かっていたので、嫌な予感はしていたのだが案の定針が伸ばされてしまっていた。レッドバンドのはっきりと出たレインボーだっただけに残念だ。
ここまでザラ瀬の続く区間だったのだが、少しずつ落差と底質に変化が表れ始めた。魚がついているだろうと思われる岩盤のスリットがところどころ現れる。個人的に苦手なのだが、これ以外の変化に乏しい区間なので、スリットの攻略はおそらく必須。
ラクス60Sを流し込んでいくのだが、表層の流れに押されてルアーが流れに馴染んでいかない。ここでプロトのスプーンがあったのを思い出した。ちょうどスリットの攻略に良さそうな感じがしたので、さっそく投げてみると水馴染みがとてもいい。ルアーがとてもいい感じで動いている感覚を、皆さんもお分かりになるのではないだろうか。
その感覚を得ながら、スリットを舐めるように丁寧に流していく。いい感じでスリットを流せているとルアーの動きが止まった。一瞬根がかりが頭をよぎったので、利きアワセを入れるとかすかな生命感。大きくアワセを入れると、竿が力強く絞り込まれる。重量感たっぷりでトルクのあるダッシュを見せ、どこまでも降っていってしまうのではないかと一瞬思うような激しいファイトを見せられ、ずっと探していた相手と対峙していることが分かった。バットパワーのあるロッドを信じて、プレッシャーをかけていくが相手は深みに張り付いて動かない。
「ボトムに張り付いて動かなくなる相手はデカい」
そう思えたのが逆に冷静になれたのか、相手をなだめていくつもりで時間をかけてのファイトとなった。何度か流心に戻られそうになったりもしたが、下流へ下流へと降ってもらい、キャッチしたときにはヒットした岩盤から100ⅿほど降っていた。
自身北海道初の50up。ようやく会えたことに超感動した。本当に超と付けたくなるほど感動したのだ。発色のいいピンク色のヒレといい、パールというかプラチナというか言葉では表現しにくい光り具合がとても美しい。ずっしりと手に乗る重量感が達成感を呼び起こしてくれた。
最後は流芯にゆっくりと帰っていく相手を見送りながら、しびれるファイトを見せてくれたことに対しての感謝を感じた。
個人的に50㎝を超えるというのを目標にしていたレインボー。本州でヤマメを狙っていた際に釣れてしまった大物と違って、北海道でしっかりと狙ってこのサイズを釣るという難しさを改めて実感した。このような魚を育むポテンシャルはさすが北海道と思うのだが、簡単に釣れるものではないし、狙って釣るというゲーム性の高さは素晴らしい。次は60㎝越えという目標もできた。果てしない道のりかもしれないが、それだけにこちらも燃えるというものだ。次の釣行も楽しみだ。
【タックル】
ロッド:エンハンサーカタリストEHCT-59ML-2
ライン:PE0.6号×フロロ8lb
ルアー:ラクス60S/プロトスプーン
スタッフ田崎