夏になると小河川はボサに覆われるところが多かったりする。遡行も大変で、虫やクモの巣も多いので、釣り人の姿もまばらだ。だからこそ魚が残る、育つ。という側面もあるのだが、あの何とも言えない環境は形容しがたいものがある。そんなボサ川へアマゴを狙いに行った。
こんな中を川通しで釣りあがっていく。岸から岸にかかるクモの巣はわずらわしいものの、釣り人の入っていない証拠でもあった。時々現れるポイントにルアーをアプローチしていくと意外に魚は素直。果敢にルアーにアタックしに来てくれる。
ただ、ストーキングが難しいシチュエーションなだけあって、魚との距離はかなり近い。猛スピードでチェイスしてきてくれても、気配を感じてしまうような距離まで来ると、泡を食ったように踵を返してしまうことも多々。気配を気取られる前の短い区間で、いかに口を使わせるかが楽しくもある。短い間に駆け引きがギュッと濃縮されているのだ。
先の写真のサイズが各所から釣れてくれながら、しばらく進んでいくと堰堤に遭遇簡単に乗り越えられる高さなのだが、この川にしては珍しい深場。気を引き締めてアプローチすると1投目で良型が一瞬反応した。すぐに踵を返してしまい、その後は反応が消えてしまった。
深場からの反応は皆無になってしまい、それならばどこに魚がつくのかと考えると、やはりボサ際だった。ボサの際にいる前提で岸際の浅瀬へとルアーをアプローチ。ドリフト気味で流しながら、急な角度でターンさせると派手にルアーに食いついてきてくれた。
色が艶やかな良型アマゴ。ここまで一生懸命ボサをかき分けて来た甲斐があった1尾だ。サイズのわりに立派なヒレが特徴的であった。
その後少し進むと急に反応がなくなった。気づけばクモの巣がなくなっていたので、おそらく先行者がいたのだろう。ちょっと過酷な釣行だったが、夏らしい雰囲気はたっぷり味わえた。
【タックル】
ロッド:エンハンサーE-51ML-2
ライン:PE0.6号×フロロ5lb
ルアー:イメル50S/プロトミノー
スタッフ田崎