年々人気が高まっていると感じる秋からの犀川本流。私も度々お邪魔して楽しい釣りをさせてもらっている。このオフシーズンというと秋には訪れる機会がなく、完全に冬になってからの釣行となった。
まずは12月末のこと。この日は朝から濃い濁りが入っていた。膝まで入るとオレンジのウェーディングシューズがギリギリ見えるかどうかといった感じなので、ウェーディングがメインになるポイントは選ばないようにしていた。
こういったときは実績の高い大場所よりも、ルアーをしっかり魚の目線のレンジまで届けやすいポイントを選ぶことが多い。いくつかポイントを回っていると沈み岩裏でミノーにアタックがあった。フックアップしなかったものの、付近のポイントを回って時間を空けてからアプローチしなおす。
先ほどアタックのあった付近に今度はライトニングウォブラーの14gを送り込む。ボトム付近まで流し込んでからルアーにテンションをかけると今度はしっかりと重みが乗った。ファーストダッシュ時はサンプルロッドがグッと曲がりこんでくれたものの、そのあとはオーバーパワーな感じを実感しながらランディングまで持ち込んだ。
内径48cmのネットを大きくはみ出るサイズが嬉しい。濁りの時のルアーカラーは黒が効くというのもあらためて実感。このサイズとのファイトでもオーバーパワーを感じたロッドは、パワーダウンしようと決心した。この後は時間が経つにつれてどんどん濁りが強くなっていき、無反応のままストップフィッシング。
次の釣行は年明け早々。今回はルアーのテストでの釣行で、ポイントに着くと年末とは正反対のクリアウォーターに少し戸惑う。予定していたポイントに入るのはやめ、クリアウォーターでも釣れそうなポイントに向かうことに。
朝イチはガイドが凍ったり、ラインローラーが凍ったりと寒さが身に染みたが、水温はそこまで低くなく、陽が上がるとダウンを脱げるほどの温かさになった。釣れそうな雰囲気が強いものの、魚からの反応は皆無。そんな中、ルアーの使い心地の確認や、細かくセッティングを変えてアクションを淡々と煮詰めていく。
3つ目のポイントを回っていた昼過ぎ。足元がカケサガリになっており、長いスリットが入っているポイントを探っていたところ、ルアーの後ろに黒い影が着いた気がした。ルアーを暴れさせ過ぎないように柔らかくロッドをゆするとルアーがグッと押さえ込まれた。あまりにも無機質な押さえ込まれ感触だったので、根がかりを疑いながらも強めにフッキングを入れると激しいヘッドシェイクが伝わってきた。
下流に下られると追いかけることができないし、下方向に潜られるとスリットにラインがすれる気がしたので、スプールを軽く押さえ込んでラインを極力出さないようにし、ロッドを曲げこんで魚が降参するまで粘る。
ヒヤヒヤするファイトをしばらく続けると遠目に鈍い色が浮いてきた。大きなブラウンだ！と一瞬思ったものの、翻る魚体に派手な赤色が見えたのでレインボーだと確信。実はこの日、ランディングネットを忘れていたので、魚が寄ってからもランディングまでずっと気が抜けなかった。タイミングを見計らってハンドランディングできた時は安堵から長い溜息が漏れ出した。
側面のオレンジが鮮やかな1匹のおかげでルアーテストに花が添えられた。ロッドはパスプルーバーPRV83SM-2のプロトだったのだが、しっかり曲がりながらも主導権を渡さないようなファイトができたので、ロッドの対応力が活かせたファイトができたので自信につながった。魚の後ろ姿を見送りながらホッと一息。
この冬の犀川はこういった形で魚をキャッチすることができた。簡単にはいかないものの、1日を通せば数少ないチャンスが訪れる。その少ないチャンスをしっかりものにできるかがカギになってくると思う。もう一つはフィッシングプレッシャーの高さを考慮したアプローチは必須といってもいいと思った。
各ポイントにアングラーの姿が絶えないので、魚が感じているプレッシャーはかなりのものだろう。アングラーが多いからこそのルアーカラーやルアーチョイスなども楽しいところだ。また、トラブルが無いように配慮しながらこの素晴らしい本流フィールドを楽しんでもらえたら嬉しい。折を見てまた犀川に行って、ロングロッドでフルキャストしに行こうと思う。
【タックル】
ロッド：パスプルーバーPRV83SM-2(プロト)/7f台プロト
ライン：PE0.8～1号×フロロリーダー12lb
ルアー：ライトニングウォブラー14g/プロトルアー
スタッフ田崎
