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Bass Fishing社員ブログ 「ハイウェイト続出!釣れる試合の難しさ。JBトップ50第4戦」 開発担当の観戦記 Part2

2013.09.12

「ハイウェイト続出!釣れる試合の難しさ。JBトップ50第4戦」 開発担当の観戦記 Part2

JBトップ50桧原湖戦の初日は今にも泣き出しそうな曇天、強めの風の中、スタートを迎えました。

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「初日の朝、自然とティムコチーム3名が集まり談笑。トップ50連勝中だけあってチームの雰囲気はイイ感じ。」

直前プラでは晴天無風でタフな状態でしたが、試合初日には台風の影響か気圧がぐっと下がり、雨、風、そして湖流が明らかに発生するほどの水門開放と、スモールマウスバスがやる気を出す要素が全て揃ったといえるコンディションに変化しました。

傍から見ているだけの私自身、桧原湖でのキャリアは10数年あるので、釣れる状況はある程度理解できます。特にオフリミット期間から直前プラの間にバスの活性があがる要素が少なかったため、このような状況の変化は明らかにプラス要素。間違いなく釣れる天気、状況になったな、と思いました。おそらくサイズを問わずバスたちは高活性になっていたはずです。

その予想を裏付けるように、選手に同船しているオブザーバーから発信されるJB公式ツイッターでは、次々に選手達がリミットメイクしていく様が書き込まれました。

朝の段階ではそれほど混雑していなかった早稲沢フラットも風の吹き込みとともに選手が集まりだし、キャッチ、入れ替えのシーンが遠目にも目撃できました。

スタート開始は7:07。サイトマスタースタッフである福島健選手は8:14にはリミットメイクを果たしています。9時前には数名の選手が入れ替え作業に入っていたようですから、数は釣れていると言えるでしょう。

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「福島選手は朝から猛烈な勢いで釣った様子。3324gのナイスウェイトを持ちこんだが初日17位・・・。」

北選手は糠塚島周辺、堂場山裏ワンド、早稲沢フラットなどサイズ、数ともに狙える北部の各エリアを中心に廻ったようです。周りの選手が順調に数を伸ばしていく中、1本目キャッチは9:46ですから、朝イチはリズムに乗り切れなかったというか、軽くハズシ気味?とも言えるでしょう。それでも11:00前にはリミットメイクを果たし、13:00には初日のウェイトに達していたようです。何度か湖岸を行ったり来たりしながら見つけた彼は明らかに本命とは違うエリアで可能性を探る釣りを展開していましたから、まずは初日十分なウェイトを稼いだと判断したのでしょう。

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「初日後半、やや流し気味の北選手。明日以降の可能性を探っているのか。」

沢村選手も早稲沢フラットで何度か目撃しました。特筆すべきは狙う精度。確実にピンスポットを把握して、正確なアプローチを行うため、ピンの周囲をうろうろと流しながら釣るという行為はほぼありません。スーッと入ってきて、ピタッとアプローチ、ササッと釣ってピンを把握されないように、移動。狙うべき深さも使うタックルも違っていますが、そのアプローチはまさに圧勝した遠賀川戦と同じものでした。

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「早稲沢沖に浮かぶ沢村選手。ピンスポットを射抜く精度は群を抜く。」

帰着と同時に始まったウェインでは3000g超えが続出。いったい何人が3000g以上釣っているのか把握できないほどでした。

結局33位までが3000g超えという驚愕の釣れっぷり。1位、2位はビッグサイズ混じりで4000g弱、3526gを持ちこんだ沢村選手ですら11位とシングルにも及ばない、激しい乱打戦でした。そんな中、北選手は3750gで6位と好位置につけました。

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「沢村選手はグッドサイズを含めて3526gで11位。」

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「北選手はそれほど数を釣った様子ではないものの、3750gで6位。1日たりともブレーキを踏むことが許されない年間タイトル争いにおいても大事な初日を好位置で乗り切った。」

このような展開では3000gに満たないウェイトを持ちこんだ選手達にとって、2日目以降の戦いは苦しいものになります。ウェイトこそ僅差の戦いですが、釣れ釣れのフィールドでの戦いにおいて、大逆転は極めて難しいからです。初日の上位陣が揃って翌日に大ハズシすることはごく稀なことで、初日に3000g以下だった選手は翌日同じかやや重いウェイトを釣っても予選落ちの可能性が高く、予選通過のためにはなんとしても上位のウェイトを持ちかえらなくてはなりません。そうなるとリスキーな戦略を取らざるを得ない・・・。残念ながら今回は山岡選手もそのひとりになってしまいました。ウェイト2858gにとどまり初日44位と大きく出遅れることに。

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「山岡選手はスモールマウスの苦手意識を払拭できずに出遅れ。課題を抱えたまま2日目に臨むことに。」

僅差の試合ながら、順位ははっきりと差が出ます。例えば北選手の場合3750g/5匹ですから1匹平均750gです。山岡選手の場合はこれが571.6gに下がります。桧原湖の経験がある方なら理解できると思いますが、700g以上の魚を釣るのと、600g以下の魚を釣るのには確実に違い、差があります。700~800g、場合によってはキロ超えを釣ってくる選手が600g以下の魚を釣ることはあり得ますが、500~600gの魚を延々と釣っていても、700g以上のキッカーサイズが混じることは、滅多にありません。場所、タイミング、釣り方・・・。様々な要素がありますが、その差は桧原湖では高く分厚い壁だと思います。つまり、初日に出遅れた選手は何かしらのプラン変更が必要であり、それは百戦錬磨のツワモノぞろいのトップ50において、なかなか容易なことではないのです。

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「青木大介選手は初日3310gで18位。しかしここから最終順位を5位まで上げるのだからサスガである。出遅れても巻き返す力を持つ、強さを感じる選手。」

初日終了した時点で北選手に話を聞いたところ、「ウェイトはまぁ、なんとかまとめた感じ。釣れるペースが遅いから楽ではないですね。釣り方はプラ通りなんだけど・・・。」と決してノリノリではありませんでした。

釣れる試合は少しでもブレーキを踏んでしまうと、一気に順位が下がります。周りの選手がハイペース、ハイウェイトで釣るなら、自らも負けじと釣りまくるしかないのです。特に見える範囲での釣り競いとなればメンタル戦となるのは必定。繊細で高度なライトリグの技術を駆使しつつ、図太いメンタルが要求される試合になったのです。

 

 

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