Fly Fishing記事 | ティムコ

小甲 芳信

Fly Fishing  プロスタッフ  小甲 芳信   カブちゃんの北の便り「函館の夏ブリ編」

2017.08.02

カブちゃんの北の便り「函館の夏ブリ編」

皆様ご無沙汰しています、北海道の小甲です。

 

さてさて、昨年に引き続きソルトウォーターFFに没頭しているボクですが、友人から「どこがそんなに面白いの?」「だいたいどのくらい釣れるものなの?」などの質問をもらいます。このお便りを読んでいる方の中にもそのような疑問をお持ちの方もいらっしゃることと思います。常々、できる限りの経験を元にしたお答えをしたいと強く思っているのですが、如何せん歩き出したばかりの赤ん坊のようなボク。現在も試行錯誤の真っ只中におります。ですので、これまで長きに渡り熱心にソルトFFに取り組んでこられた先輩方には失笑されることを承知でボクの考えをお伝えしていきたいと思います。

 

同じ魚です#1

 

ただ、一口にソルトFFに於けるショアブリと言っても、函館近郊の場合、一日に10匹も20匹も釣れる釣りではないですし、常に目の前でボイルやナブラが起こるとはかぎりません。

 

しかし、しかしです。

 

幾つかの幸運が重なり、フッキングが成功したならば、ソルト未経験の方には今まで経験したことのないような【ガチのパワー勝負】となるワケです。その一匹に巡り合うまで時には遠回りをしたり、壁にぶつかったりするかもしれませんが一度かければそんな労力も一気に吹き飛んでしまうのです。

 

この釣りは北海道で新たなジャンルとして、いつの間にか遠く忘れてしまっていた、初めてイワナを釣った時の興奮、なす術なく、ただがむしゃらに竿にしがみついていただけだった大型ニジマスとの出会い、そんなドキドキ感を再び味あわせてくれる機会を与えてくれます。海アメに慣れ親しんだ北海道のアングラーならば、その延長線上にあると思って頂いても良いのではないでしょうか?目の前にフィールドはあります。チャレンジしない手はありません。

 

ここで、ボクが使用しているタックルとシステムを少しお伝えしておきます。

 

「サーフ・磯周り」

 

磯場

 

広大な砂浜や、バックスペースの取れる磯場であれば、通常の海アメなどでご使用の10番以上のダブルハンドで十分だと思います(掛かるとガッツリ曲がりますが)。空気抵抗の大きなミノーなどを遠くへ投げる場合には、やはりダブルハンドの方がより多くの利点があることは皆さんご存じでしょうからここでは説明を省きますが、できるだけ張りのあるバットパワーのしっかりした物をお使いいただくことが、よりランディングまでの確率を高めてくれることでしょう。逆に柔らかいタイプのロッドですと、しょっぱなから主導権を魚に持って行かれ、フックオフの危険性が高まるので、あまりオススメではないこともお伝えしておきます。

 

そして、リールに関してはドラグシステムのしっかりとした物のご使用を強くオススメ致します。なにせ相手は北海道内ではマグロに次ぐ怪力の持ち主ですから、今まで回したことのないドラグ域までしっかりとテンションを掛けなければ、ヤワなリールですとドラグシステムそのものをぶっ壊されてしまう可能性も十分にあるのです。

 

そのような点からボクはLOOP社のダブルハンドロッドを使っています。15フィート10番クラスが適しているのではないでしょうか。リールはオプティメガループなどを使っていますので、安心してブリとの対峙を楽しめます。

 

 

「磯周り・漁港」

 

イブニングの堤防

 

こちらは状況に応じてなのですが、ボクが通う殆どの岬が足元から急深なポイントですので、波打ち際から僅か1メートルの距離でブリが飛び出すことも珍しくありません。また、漁港などでも前回お伝えしたようなハグレが回遊してくることが多々ありますので、足元まで丁寧にフライを引き続けられるシングルハンドの出番となっています。

 

しかしながら、シングルハンドロッドに関しては、残念ながら海アメで使われている8番クラスのロッドなどでは役不足で、かなり無理があるでしょう。ボクはシーズンに応じて10番と12番を使い分けています。オービス・9フィート10番が僕のお気に入りです。オービス社は、古くからアメリカ東海岸でのストライパーやターポン、ボーンフィッシュ、パーミットなどソルトFFの歴史も古く、どちらかと言うと少しイッちゃってる系の方々が毎日のようにロッドを酷使し開発したロッドですから、安心して使い倒すことができます。

 

リールもオービス社のハイドロスSLシリーズのⅤサイズを使用していますが、現場からの要望をフィードバックさせたしっかりとした製品に仕上がっていますので、こちらも安心して使っています。

 

 

「システム」

 

これは賛否が分かれるところなのですが、敢えてボクのシステムをお伝え致します。大型のミノーや空気抵抗の塊でもあるポッパーフライ、そして重量があるフライなどをターンオーバーさせて狙うべきポイントへ投げ入れるのには、ある程度の太さが推進力の伝達にとって必要不可欠です。そして、時に7キロや10キロという大物も珍しくないブリ釣りですから、それらを制御してランディングに持ち込むためにはやはり強靭なラインであることが絶対条件となります。それ故ボクはナイロンラインの50lb→40lb→35lb→20lbをそれぞれ継ぎ足して、全長12フィートくらいのリーダーを使っています。しかし、秋の大物シーズンでは60lb→50lb→40lb→35lbへと移行していきます。そして前回の課題でもあったシラスボイルの時には先端に16lbを足すこともあります。

 

ここで蛇足ですが、ボクがポッパーなどのトップ系のフライで狙う時は、太めのショートリーダーシステムでレスポンス良くスプラッシュさせるようにしています。

 

また、ソルトFFに於いてもう一つ、決して忘れてはいけない重要なポイントの一つに「フッキング」というものがあります。実はこれが今年のボクの大きな課題となっています。それは、海アメのようにロッドをクイックに立てるだけでは太軸のフックをブリの硬い口周りに貫通させることが難しいということなのです。基本的にはロッドがしならないよう水面と並行にしてフライラインを強く引っ張り、ダイレクトに針をくい込ませなければなりません。ですが、ボクの場合長いマス釣り時代から生まれたクセなのでしょう、ブリが食いついた瞬間つい反射的にロッドを立ててしまい、そこからどんなに強くラインを引っ張ってもロッドが「ダオン、ダオン」とお辞儀をするだけでフックが刺さらず、何度も涙を飲んでいます。

 

さて、そんな釣りを展開していた中で、ちょっと面白かったシーンに出会えたのでお伝え致します。それは7月に入り、磯周りのブリも少なくなってきた頃でした。友人からの連絡で、夕方になると小規模の群れが断続的に漁港に入ってくるとのこと。午後遅く、半信半疑で見に行くと、な、なんとブリの群れが足元から2メートルくらいのところでボイルを連発しているではないですか!

 

どうやらその時のベイトはオオナゴの稚魚(5cm~8cmくらい)で、岸壁沿いに群れているオオナゴに狙いを定めて回遊している模様。定期的に回ってきては「ズバァー!!」「ジュババァァァー!!」と3~4匹が一斉に水面へ飛び出します。こんな滅多にないシチュエーションですから、小型のベイトを模したパターンで首尾よくキャッチできたのですが・・・。ここからが大問題だったのです。

 

実はその翌週からも同漁港へと出向き、夕方5時を回った頃にグリングリーンした背中の魚が次々と入ってくるのが見えました。どれもこれもヤル気満々といった雰囲気です。シメシメです。

 

「今日もいただき!」

 

と、ほくそ笑んでブリの進行方向を見極めていると、な、なんと彼らは水面のベイトには目もくれずに水深1.5メートル~1メートルほどの浅瀬まで入り込み、海底で砂を食べ始めたのです!イエ、正確には「砂の中の何か」を頻繁に捕食しているようで、サスペンドしたりアクションを与えたりする先週のヒットフライには全く反応を示さないのです。

 

頭の中は「柳の下のブリ」でしたから、そのようなシーンに対応させたフライなど持っているはずもなく、しかし目の前には「バフン、バフン」と砂を食むブリの群れ・・・まったく想定外の激アツなシチュエーションでした。水深1メートルのシャローでサイトフィッシング。狙うターゲットは紛れもないブリ。もう今までの深場を回遊するブリの固定観念が木っ端微塵に吹き飛びました。

 

その後、観察を重ねるとシャローへ入ってくるタイプと水深のあるカケアガリを回っているタイプがいるようで、シャロー組は夕方になると頻度を増すこと、日中はほとんどがカケアガリを回遊していることが解ってきました。ですが、もうこの頃になるとブリの全体数が日を追うごとに減っていき、ボクに与えられたチャンスも格段に少なくなっていました。また、大小のミノーに対する反応もほぼ0%となり、目の前を引っ張るフライを追うこともなくなっていました。

 

さてさて、季節の進行と共にどんどんハードルが上がってしまった函館近郊サイトの夏ブリですが、この後ボクのアプローチでヒットさせられるか否か?次回のお便りでお伝えしたいと思います。

 

 


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