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Trout Fishingプロスタッフフィールドインフォ 水沼智宏 「渇水の解禁釣行」

2019.03.19

水沼智宏 「渇水の解禁釣行」

昨シーズンの禁漁間際に釣り仲間と話しながら今年の解禁釣行の場所を決めていました。その沢は、以前よく訪れていた渓流の枝沢でしたが、数年前の豪雨でその渓は壊滅的な被害があり、その後何度か様子を見に行ってはいるものの、魚の気配すら感じられない場所がほとんど‥。ただ、釣り仲間がその近辺をあちこち見て回ってくれていて、中には魚影を確認できた沢もあったということだったので「今年はなんとか回復していて欲しい! 」という想いもあり、解禁はその沢に向かいました。

 

解禁釣行は3月4日。期待と不安‥というより、不安だらけ‥どれだけ魚がいるのだろう‥少しでも回復していてくれれば良いのだが…。仲間と合流し、しばらく車を走らせます。

 

到着すると‥水がかなり少ない。今年は雪が少なく、雨も降っていない為、沢はド渇水。なんとか水深がありそうな場所を探して釣って行くも、なかなか魚の姿を見ることができない…。そして、水の中を歩いていても、逃げる魚も見つけられない…。しばらく歩き仲間に「そろそろ引き返しましょうか?」と言おうと考えていたときにようやく魚影を発見!

 

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追いが悪くなかなか苦労したがなんとかこの魚を釣ることができた。小さなヤマメだったので写真を撮りすぐにリリース。そして魚が居たことに感動!「あの豪雨を乗り越えて産卵していた魚がいたのか!!」!と魚の逞しさを感じました。その後小さなイワナも釣ることができ「ここから先か…。きっと親がどこかにいるはず…」としばらく釣り登りました。しかし、それからは、なかなか魚を見つけることができず、退渓場所のラストポイントに着いてしまいます。

 

そこはさほど大きくはない滝だが水深も充分。ここは何かいるだろうとシュマリ48Sを結び、滝壺へとキャスト! ところが3投しても何も出てこない…。「ダメか…。」と最後の1投でシュマリ48Sをさらに沈めてリトリーブしてくると突然岩陰から黒い魚が飛び出してきた!

 

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越冬の厳しさを感じさせる細くて、頭でっかちなイワナ。でもこんな魚に会いたかった!!秋に産卵した名残なのか、尻尾の先は擦り切れていたけれど、それもまた嬉しい傷。こんな魚が生き延びていてくれれば、いつかこの沢も昔のように戻ってくれるだろう。撮影後はすぐにリリース。水底に積もった落ち葉の陰に消えていくイワナを見ながら仲間とガッチリ握手「もう何も言うことはない!!」と思える嬉しい平成最後の解禁釣行となりました。

 

毎年のように各地で豪雨被害が出ていますが、この沢のように回復に向かっている沢があれば、全く魚が棲めない沢に変わってしまっている場所もあります。「魚が生き延びてさえいてくれれば、時間はかかるけれども少しずつ回復していくのだなぁ」と改めて感じました。出来ることなら今年はこういった被害が無く、魚達が元気に泳ぎまわり、産卵できる年になれば良いなと心から願います。そして、事故や怪我なく、楽しく渓流シーズン駆け抜けたいと思います。

 

【タックルデータ】

ロッド:エンハンサーEH48L-4
ルアー:シュマリ48S 195HGテネシー+

 


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