Fly Fishing記事 | ティムコ

小甲 芳信

Fly Fishingプロスタッフ小甲 芳信 カブちゃんの北の便り「海アメ2021」タナが命!

2021.04.09

カブちゃんの北の便り「海アメ2021」タナが命!

2021年も晩春、先日のことですが釣り竿を抱えて日本海へと車を走らせました。今年の海は、地元のベテラン勢から伺ったお話しでは「近年では魚が急激に減ってしまい、日並によっては以前ほど釣れないことも多い」と仰っていて、他にも札幌や苫小牧などからシーズン中毎週通っていると仰っていたエキスパートの方々でさえ1匹釣るのにも手を焼く日も多いとのことですから、たまに訪れるボクなんかがノー天気に竿を振り回したところで、簡単には釣れない状況がありました。

 

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ですが、各ポイントには意外なほど釣り人は多く、海アメ&海サクラに魅力された方々は熱心に竿を振られていました。しかし、その釣り人の殆どがルアーの方々で、フライロッドを振っている方が驚くほど少なかったようで少し寂しい光景でした。ボクが訪れたこの日だけが少なかったのか、もしかしたら平日には複数のフライフィッシャーが訪れているのか、はたまたフライの方々は別のエリアへ入っているのかは分かりませんが、例年訪れていると年を追うごとにフライの方々が減ってきているように感じます。

 

これから季節が夏に向かって進むほど、ますますフライ有利な状況が訪れるというのに、なんだかとてももったいないような気分になってしまいました。これまでの『北の便り』でもお伝えしてきました通り、今後の晩春以降の海では、魚のコンディションもはち切れんばかり状態となりますし、気温も連日10℃を越えてきて汗ばむ時間帯もあるほどです。

 

これまでの指先がカジカミながら風雪に堪え忍ぶ、いわゆる『苦行』と称される真冬の日本海とは正反対の開放的な釣りそのものですし、何よりも特筆するべきなのは、サケ稚魚などに付いている魚には特別な飛距離を必要とせず、間近で思わぬ大物が食らい付く絶好のタイミングでもあるのです。(カブちゃんの北の便り2020.04.02『鮭チーボイルを求めて』編参照)。まだ大きなアメマスやサクラマスを釣ったことがないと言われている方や、これから高番手の竿を揃えてチャレンジしてみようと思っていらっしゃる方がいるならば、是非とも4月からの海をお勧めしたいと思います!

 

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さて、そんな初夏を思わせる陽気な季節がやって来ても、気圧配置の加減によっては絶え間なく高波が打ち寄せ、海岸線に立つことさえ危ぶまれる日がままあります。そんな日には、少しおもむきに欠けるロケーションではあるのかもしれませんが、釣り場近隣の漁港に移るのも一つの手ではないでしょうか?実は、漁港で釣りをされている方々の中には多くのエキスパートもいて、彼らには『この時期にはこんな魚が回遊してくる』ですとか『シケた時にはここの漁港に魚が入る』などの経験則をお持ちの方も多く、当然のこと、彼らは驚くようなレコードサイズのアメマスやサクラマスを釣り上げているようです。

 

ですが、漁港というある種の閉鎖空間に長く居座った魚というのは毎日のように様々な釣り人に攻められることで百戦錬磨の賢者へと変貌し、日々修行し鍛練を重ねたその猜疑心とエサを見極める目は、我々人間をもしのぐ神のような立ち振舞いでアッサリとフライを見切るのです!ま、平たく言えば「追うけどぜんぜん食わねー!」な時間との戦いも待ち受けているのです。

 

しかし、朝夕のほんの僅かな時間帯などでは周りと争うようにフライに食らい付くこともあり、一概には『釣れない釣り場』とは言えないようですし、日がな1日、漁港で粘っていると、潮が動き出したり漁船が通過したりした後の波によってボイルが起こることも珍しくはありません。魚は基本的に補食や移動の際に前後左右・水平方向の移動に関してはかなり幅広い空間(同じ水深)を移動するのですが、一方で縦の空間(異なる水深)への移動に関しては鈍く、一定層の範囲内(日並によって、その幅の増減がある)だけで活動していると認識しても良いと思います。

 

これは沖合いのサバやホッケの釣り、堤防からのタナゴや大チカ、ヤリイカなどの釣りをされていた方々など『魚はタナ取りが重要!』と身をもって感じられていると思います。そして漁港内も同じことが言えますし、時にはサーフや磯場からの釣りでも同じことが言えるようです。それ故、コンスタントに釣果を伸ばしているエキスパートや、大物をキッチリ仕留める名手と呼ばれる方々はラインのシンクレートなどを強く意識し、様々なシューティングヘッドを携えて魚とのコンタクトを探求しています。

 

また、これはボクの個人的な感想なのですが、海面から大雑把に上層・中層・下層と3つのタナに分けたとして、魚が当たってくるのが中層だとすれば、そこが最も潮が動いているように感じますし、それ故リトリーブによって上昇しがちなフライを、その水深がキープできるようなリトリーブとラインシステムで狙うのを心掛けることにより、ヒットへ持ち込める確率が高くなるような気がします。現在ソルト・フライにご興味を持たれ、「これから海アメを始めてみようかな?」と思っていらっしゃる方は、初めは比較的投げ易いタイプ2ぐらいのシンキングラインで、ポイントに合わせたカウントダウンをしながら釣ると、トラブルもなくスムーズな釣果へ繋がるのではないかと思います。

 

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さて、そんなシビアな選択眼を持つモンスターが隠れ潜む漁港内ですが、ここで忘れてはならないのが『長ダモ』の携帯です。せっかく掛けたモンスタークラスともなれば魚の重量は3㎏や4㎏程度になる場合も多く、時には5㎏に達する魚もいることでしょう。そんな魚体を細いティペットで数メートルも持ち上げることは無理なので柄のアジャスター機能が付いた長ダモは必須アイテムになることと思います。

 

また、たとえ水温が上がってきた春とは言え、万が一落水などしてしまうと10℃にも満たない海水温では瞬く間に身体の自由は利かなくなり、水を吸って重くなったウェアごと泳いで浅瀬への移動など出来ないと思って良いでしょう。更には、漁港の形状にもよりますが、仮に落水してしまった場合、落水場所からスグ近くに登れるハシゴやスロープなどがもない場合があります。ライフジャケットは必ず着用すべき装備品です。ちなみに、水を吸ったウェアを着た状態で自力でハシゴを登るのはほぼ出来ないかもしれないと思って下さい。

※基本的に各地の漁港とは、沿岸漁業の為に構築されたモノでありますから、そこで従事している漁業者の方々へ迷惑(釣り人の落水事故や業務へ支障をきたす車の駐車、漁港内での場所をわきまえない飲食、ゴミの放置等)を掛けることは絶対に避けなければなりません。それは結果的に釣り人を閉め出す(遊漁者立入禁止)ことに繋がります。

 

さて、そんなモンスター(70アップのアメマスと4Kg近いサクラマス!)が徘徊していた漁港で4時間近くも粘り続け散々辛酸を舐めさせられた午後遅く、場を休める意味合いも含めて漁港の外側に連なる磯場を探索してみました。漁港内ももちろんそうですが、このような磯場でのサイトフィッシングにおいて磯岩のスリットや浅瀬へと続くスペースでアメマスなどを丹念に探す場合、高性能な偏光サングラスが必須アイテムとなってきます。

 

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最近では光量と水面からの反射によるギラ付きを極力抑えてくれる高い性能を持った偏光レンズの役割などは、もはや当たり前のこととなりつつありますが、それらに加えて河川と海面では求められる性能が少し異なってくる場合もあります。それ故サイトマスターのような、光の明暗、コントラストの大小などに特化した数種類のレンズがあると、とても有利にご自身の釣りを進められると思います。(海アメなどでは、スーパーライトブラウンなどがオススメです)。

 

また、これは海でも川でも同じことが言えるのですが、サイトフィッシングを行う場合、レンズの周りにあるフレームが幅広に設計されていることで、あの最も煩わしい外縁からの光の進入を防いでくれるのも集中して魚を見付けやすくしてくれる一つのファクターであると思います。それに、フレーム上部に僅かに開けてあるエアダクトが、レンズの結露を防いでくれるのも有り難いですよね!

 

さて、そんなゴキゲンな偏光レンズを通して注意深く覗いていた浅瀬の岩礁帯で、海藻の隙間からひと際大きな尾ひれを見付けることができました。そのアメマスとは距離にして約7~8メートル。透明度が高い道南の日本海では、レンズを通して海底の状況も手に取るように把握できることから、アメマスが頭を向けている方へフライを投じてすぐさまリトリーブ。フライを確認してからも慌てるそぶりを一向に見せないそのアメマスは、1、2度尾びれを振ってゆっくりと近寄り「バフン」とフライを一飲みにしました。一呼吸置いてから渾身のフックアップで掛かったそのアメマスは、大台に僅かに届きませんでしたが立派な魚体のドーナツリングをまとったアメマスでした。

 

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日本海の海アメに限らず、これからも様々な魚をフライフイッシングで狙っていきたいと思っています。そしてまた何か面白い出会いがあった時には、皆様へお便りしたいと思います。

 


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