Fly Fishing記事 | ティムコ

小甲 芳信

Fly Fishingプロスタッフ小甲 芳信 カブちゃんの北の便り「TMC8089Nで巻くサケチー」

2024.03.15

カブちゃんの北の便り「TMC8089Nで巻くサケチー」

皆さま、ご無沙汰しております、北海道の小甲です。いつもなら「北海道の長い長い冬が終わり・・・・」と、お伝えするところなのですが、今年の函館はバカみたいに寒い“冬将軍”と称される寒気団がほぼやって来なかったお陰で、2月の中旬には4月並みの陽気の日もありました。

 

そんな春の陽気に当てられて、我々釣り人の気持ちは疼くばかりなのですが、やはり自然界の中の“生き物時計”では、多少の前倒しはあるものの虫や魚の移動期などが大きく狂うことはなく、ほぼ例年通りのタイムテーブルで進んでいるようです。

 

ボクとしては、昨シーズンは大型アメマスとの出会いも、サケチーボイルカーニバルも毎週末のシケにより不発だったこともあり、これから始まるであろうサケ稚魚の降海するタイミングを本当に心待ちにしていました。いつかのテレビ番組で 「季節ごとの楽しみを待つ」 これが、人生に奥行きを持たせる秘訣だと言っていましたが、毎夜デスクでサケチーパターンを巻き上げる度に「こーゆーことかぁ・・・」と思っていました。

 

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さてさて、そんなサケチーボイルカーニバルが目前に迫ってきた今、友人から「あのサケ稚魚パターンは、文字の説明だけだとなかなか上手く巻けなくてサ・・・」とのお声を頂いたので、改めてパターンの巻き方を動画を使ってお伝えしたいと思います。

 

 

ご覧頂いた動画の内容ですが、(映像の見難い所はご勘弁頂ください!)特別難しい部分はなかったと思いますが如何でしたでしょうか?前出の【2023.03.16-サケ稚魚へボイルする海アメマスの釣り】をご覧頂きつつ動画を参考にして頂ければ、細かいところも解るかと思います。また他のフライ同様に何本か巻くことで要領を得、バランスが取れてくることと思います。

 

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さて、ここでひとつ、ボクが海アメを狙う上でぜひオススメしたいアイテムに、ニッケルコーティングのTMC8089Nフックがあります。ホームページ表記にあるようにTMC8089のニッケルメッキのソルトバージョンでシーバスなどにも対応していて、細身のワイヤーであっても十分な剛性があり、また水面付近でステイさせたり緩やかなサスペンドをさせたりするのにもちょうど良い重量のフックなのです。

 

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そしてそのTMC8089Nに巻いたフライで海アメを狙うわけですが、ちょっとだけ使用中のフライへ気を配らなければならないポイントがあります。それは、海アメを狙う際には、広大な海岸線の中でも砂浜からのアプローチを行う機会が数多くあります。このサケ稚魚ボイルを狙う釣りも、大半は砂浜がメインとなっています。

 

すると、釣りの最中にリトリーブを終えてフライをピックアップする際、極々ほんの僅かですがどうしても波打ち際の砂にフックが擦れることがあるのです。これは、言い換えれば『荒砥でヤスリ掛け』しているのと同じ状態ですから、長く使い続けるとフックポイントの“削れと丸み”が発生してしまいます。しかし、このニッケルコーティングだと、僅かですがその辺に対する耐久性が上がり、フライの延命にも一役買っている気がします。

 

また、海水であっても錆びに強いニッケルの特性上、まったく錆びないわけではありませんが、釣りの終わりにフライへ水をかけ塩抜きするだけで次回リユースすることが可能となったりもします。(ボクは車に2リットルのリサイクルペットボトルに水を入れて2本積んであり、釣り終わりのフライの他にもロッドやリール、ウェーダー、シューズ等にも使用しています。)

 

画像でも見られるように、時折足元からほんの数メートルの距離でサケ稚魚に対するボイルが起こります。ですので、この釣りで十分気を付けたいことは、足元のカケアガリまでキッチリとフライをトレースすることと、むやみに立ち込まないことです。また、海アメの釣りでは、とにかく遠投しなければ釣れないような観念に囚われがちですが、このような心理的トラップには囚われず、ご自身がキチンとターンオーバー&プレゼンテーションできる距離でトライしてみて下さい。冬と違って春の海アメは、水深の浅い足元から狙えます。それらを裏付けるように過去には多くの方々が波打ち際の足元を悠々と泳ぐ特大アメマスを目撃しています。

 

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さてさて、そんなロマンに溢れる北海道の日本海ですが、近年ではやはり魚の減少が目に付くようになってきました。そんな大事な水産資源を減らさないためにも、釣り人の皆さんも協力できることから始めてみませんか?そこで、簡単に行える資源を減らさないシンプルな手法として“バーブレスフック”を使うということがあります。(バーブを潰して使うことも含めます)

 

これは、水面を流れる虫を食べるのと違い、小魚を補食するアメマスらは勢いよくアタックしてくることから、時に口腔内の奥深くに針掛かりしてしまうこともあります。ですので、リリース後の生存率を上げるため、ご使用のフライをぜひバーブレスにしてみて下さい!!海で釣れるアメマスは、だいたいが太っていて大きさもソコソコなので竿に掛かる重量もあることから、簡単にはスッポ抜けすることがないので、まだバーブ付きの方はこの機会にバーブレスへの変更をチャレンジしてみましょう!

 

それでは取り急ぎ、タイイングの説明を駆け足で行ってみましたが、どうか皆さんの手でもっともっと良いフライへと進化させて頂きたいと思っています。それではどうか、海難事故には十分お気を付けて、良い釣りを楽しまれて下さい。

 

またお便りしたいと思います。では~。

 


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