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Trout Fishingプロスタッフフィールドインフォ 水沼智宏 「早春の源流ヤマメ」

2018.04.06

水沼智宏 「早春の源流ヤマメ」

3月になり、私の住む仙台も徐々に暖かい日が増えてきました。虫も飛び始め、そろそろ渓流の魚達も動き出すだろうと、仕事をしながらも渓魚に思いを巡らす毎日‥。先日の解禁釣行時には綺麗なイワナを手にすることができたので「次の休日はヤマメを狙いに行こう!」と考えていました。

 

ヤマメが多く生息する里で育った私にとって、ヤマメへの想いは特別。この時期ならではの、越冬から回復し始めたサビの残るヤマメの姿がどうしても見たいという想いもあり、3月後半の休日に釣行を予定していると、釣友であるルアービルダーの片田隼人さんから連絡があり「久しぶりに行こうと思っている源流があるのですが行ってみませんか?」という有り難いお声を掛けていただきました。

 

釣行当日。かなり上流域まで釣り上る予定の為、いつもより早めに自宅を出発し、1時間ほど車を走らせ林道の入り口に到着。ここからさらに林道を15分ほど走り駐車出来そうな場所に車を停めて準備をする。楽しみな時間ではあるものの‥駐車スペースからは水の音は全く聞こえませんでした。ここから1時間弱歩くようなので、エンハンサーとリール、昼食や飲み物などをカウンターエイトスリングに入れ、釣り談義をしながら川へと向かいます。脇には蕗の薹も芽吹き始め「いよいよ春だなぁ」と感じながら歩く山道はとても気分が良い時間でした。

 

しばらく歩き、ようやく水の音が聞こえて、川も見えてはきたのだが、結構な谷底‥一応、登山道のような道はあるのだが、所々崩れていたり、雪で埋まってしまっていたり‥安全を考え、危険な場所はロープを使いながら慎重に川に下りていく。両岸は崖でこの近辺からの入渓点はこの場所しかみあたらないような川。水はクリアでいかにも冷たそうではありましたが、初めての渓に心は踊っていました。

 

エンハンサー48L-4をバックから取り出し、準備をしながらも流れに目を凝らす。「どこに魚がいるだろうか?」シュマリ48Sを結び、キャストすると一投目から小さい魚ながらもチェイスする魚の姿が見えました。魚のサイズが少し上がれば食ってくるだろう、と歩くこと暫し、ようやく今シーズン1尾目のヤマメを手にすることができました。

 

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ルアーはシュマリ50FS。レンジを少し下げ、スピードを落としてリトリーブし、サイドに立てるポイントの場合は出来るだけアップクロスもしくはクロスにキャストしてルアーを長く見せるように攻略していきます。

 

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こちらは黒点が少ないタイプのヤマメ。魚の表情や模様の違い、色の違いなど、渓流の魚は様々な色彩を見せてくれます。そして所々雪が残る渓を仲間と共に歩く。こんな素晴らしい景色を見ることができるのもこの時期ならでは。

 

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2人で楽しく釣り上り、少し渓相が変わった場所でこの日最大のヤマメが顔を出してくれました。

 

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尺には届かないながらもヒレが大きく、冬の雰囲気も残る綺麗なヤマメでした。川を上るにつれ、徐々に魚が増えてサイズも上がって、さぁここからだ!!と思ったのですが、ここから状況が一変。この日、宮城の平野部では初夏を思わせるような気温まで気温が上昇。私達が釣行したエリアも気温が上がり、雪解けの冷たい水が入り始めてしまった。枯葉や小枝が流れ、濁りも入り始めてしまっている。魚の反応も途端に悪くなり、なかなか喰わせることが出来なくなってしまった。

 

無理すれば釣れないこともないのだが、この後、沢通しで帰らなければならない為、安全を考えここで引き返したほうがいいと判断。釣り上っているときは簡単に渡れた場所も、濁りと増水で注意しないと足を取られる場合もあるため、慎重に山を下り、2時間ほど掛けて車へと戻りました。

 

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雪解けによる増水や雨による増水などで急激に水が増える場合もあります。林道が並走しているような沢であれば、危険を感じた場合、すぐに沢から上ることができますが、抜け出せない渓相の場合は早めの判断を心がけ、危険を感じたら引き返す勇気も必要です。そして、できれば単独釣行は避け、経験豊富なアングラーに同行してもらえればベストでしょう。

 

楽しい釣りも自然の中に身を置く以上、常に危険は隣り合わせです。水深のある場所を釣り歩く場合などは万が一を考え、ライフジャケットを着用したり、浮力のあるバッグを使用するなど、常に安全第一で無理をせずに、これから春の釣りを楽しんでいきたいと思っています。

 

【タックルデータ】
ロッド:エンハンサーEH48L-4
リール:レアニウムCI4+ C2000HGS
ライン:PE0.6号 リーダー、フロロ6ポンド
ルアー:シュマリ50FS 195HGテネシー、197HGヤマメ
シュマリ48S 95HGテネシー、193リアルハクアユ

 

 


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