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Trout Fishing  プロスタッフ  フィールドインフォ   川口慶 「五月の雨」

2018.06.05

川口慶 「五月の雨」

その日は、雨音で目を覚ました。

”また、新たなサツキマスの群れが上がってくるかな”

そんなことを思いつつ、家でゆっくり過ごしているとだんだん雨が弱くなり空が明るくなってきた。

”少しだけ川の様子を見に行ってみるかな”

やはり朝から、すでに心は川に。

 

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車を走らせ太田川に到着する頃には、雨は上がり道路は乾き始めていた。川は、適度に水位が上がりいい感じ。今年こそ、この川のサツキマスを拝めるかもと、とりあえず目星をつけていたポイントへ。体が無理がきかないので、ゆっくりと慎重に流れを切って瀬頭までたどり着くと、ポツリポツリと大粒の雨が。シュマリ67Fで一流し終え、岸に着く頃には本降りになってしまった。

 

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”もうウェーディングは危険だな”

そう思い、岸から出来るところを打っていくことに。少し下流に移動すると、川の雰囲気はかなりいい感じ!とにかく要点だけを集中して打っていくも魚からの反応が何一つない。しかし、最後に入ったポイントでドラマは起きた。

 

大場所の瀬尻に良いヨレが出来ているが、プラグでは到底届かない距離。ここで、ライトニングウォブラーの出番!流れの速さとクリアな水の色から10gのHIRO-SPドランクブルーシルバーをチョイス。少しアップクロス気味に着水させ、流れに入れ込むと理想的なコースに乗せることが出来た。口を使ってくるならあの辺りだなと思い、ターンさせると狙い通りの場所でドスン!フッキングはきっちり決まり、クンクンクンクンという他の竿では感じたことのない、柔らかな不思議な感触が手元に伝わってきた。

 

いつもはここが一番緊張するのだが、竿のしなやかさで魚の動きを全て吸収してくれている感覚で全くバレそうになく、竿を曲げていただけで気がつけば魚が勝手に岸まで寄って来てしまっていた。魚の姿を確認するため川に入り浅い場所を下ると、やはりだいぶ岸際まで寄り過ぎていた。少し沖目に出してあげると、スルスルと目の前まで泳いできてくれたので、すかさずネットイン!

”ついにやった!!”

ついに訪れた瞬間に長年の思いが溢れて、誰もいない河原で思いっきり叫び声をあげてしまっていた。

 

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やり取りをしている最中はそんなに大きくないと思っていたのだが、決着が着いてみれば、40cmを超えた立派なサツキマス!さっと写真を撮り終えて緩い流れに馴染ませると、勢い良く本流の流れに戻って行ってくれた。サツキの川としては苦手意識しかなく、多くの人からアドバイスを頂いていたものの、何年もバラしだけで終わっていた太田川での最初の一本となった今回の魚。エンハンサーカスタム72にも入魂でき、忘れることのできない、たくさんの想いの詰まった一匹となった。

 


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