Trout Fishing記事 | ティムコ

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Trout Fishingプロスタッフフィールドインフォ 川口慶 「夏草のトンネルを抜けて」

2020.07.29

川口慶 「夏草のトンネルを抜けて」

この度、新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々に、謹んでお悔やみ申し上げると共に、罹患された方々に心よりお見舞い申し上げます。併せて、この度の全国各地で起きた豪雨災害で亡くなられた方々に謹んでお悔やみ申し上げると共に、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。一日も早い事態の収束と、罹患された方々の御回復、災害からの復旧を心よりお祈り申し上げます。

 

緊急事態宣言が解除され、今シーズンから発売となったLaks60Sを携え、ようやく6月から週末の空き時間を使い近所の本流へと足を運んでいた。1回の釣行にかける時間は午後の2時間から3時間程度と少ない時間ではあるが、2箇所ぐらいのポイントで集中して釣りをするには十分な時間であった。

 

このルアーを使い始めてからとにかく集中力が続くようになったと思う。なぜなら流れに入れ込む時のスーと流れに吸い込まれて良いレンジまで行くような沈下スピードを始め、ラインを使ってのルアー操作のしやすさが自分にとって丁度良く、流れの筋を探る釣りにはもってこいのセッティングであったからだ。

 

しかしながら、毎回1匹は良い魚を掛けるものの、ネットに収まることは無く純正フックは勿論、同じ番手の太軸のフックまで曲げられる始末であった。今年の魚は太いし結構バレるとは仲間から聞いていたが、1匹も手にすることができず、あっという間に1ヶ月が過ぎてしまった。

 

7月の最初の週末を迎え、朝からテレビでは豪雨災害の情報が飛び交っていた。前日の夕方の支流の様子と夜中の降り具合いからしても、この辺りも増水で釣りどころではないだろうと水位もチェックすることなく諦めていたところ、フィールドに出ていた友人から、大増水しておらず釣りは可能との連絡が。前日に来シーズン発売予定のカラーも届いていたので、重い腰を上げフィールドへ向かうことにした。

 

昼前に現地に着き、渓流に入る前に少しだけ本流を打とうと、目星を付けていたポイントへ。背丈より高くなった葦原を潜るように、増水の影響で出来た小さな川の上に空いた空洞を掻き分けながら進んで行く。Foxfireのエキスパートツーシームウェーダーに変えてから、足がすんなり上がるようになり、藪漕ぎの億劫さが大分軽減され、近年忘れかけていた冒険心を呼び醒ませてくれていた。

 

視界が開けると、そこには軽い濁りの入った良い流れが、岩盤に当たり如何にもという雰囲気を醸し出していた。流れ込みから深い所にかけてモヤっとした濁りの入った水色になっており、このフィールドでは7cmクラスのMDが主流になっているため、サイズダウンと目立たせるのを目的として、届いたばかりのLaks60Sシャートヤマメシルバーパーマークを結んだ。フロントフックは同じ番手のノーマルより少し太軸のもの、テールフックはチョン喰い対策にシングルフックに変更した。

 

見ると何箇所か魚が付きそうな場所があったので、先ずは一番大きいのが付きそうな所にアップから流し込んでいき魚の目の前を通すイメージでターンさせるとズシッと重厚感がロッドに伝わってきた。水中ではギランギランと大きな魚影がローリングを繰り返している。今度こそバレるなよと思った瞬間、またもやラインテンションが抜けた。

 

『また今日もお預けか…』

 

3本のうちの1本が内側に捻じ曲げられたフロントフックを見ながら落胆しつつ、フックを交換し次の着き場にルアーを流し込んでいく。

 

何投か目でようやく良いラインで流し込め流れの払い出しに乗せて軽くトゥイッチしながらターンさせると良型が追尾している時の抵抗が抜けるような感覚を感じ、すぐさま2回だけ大きく左右に振り、元のピッチに戻しヒラを打たせアピールさせつつも移動距離を少なく抑えると、ロッドが曲がり水中に閃光が走った。ヒヤヒヤしながら水中に張り出した葦をかわし、ようやく安堵のひと時が訪れた。

 

1

 

目の前に現れたのは、砲弾型の迫力ある体高の35cmの本流アマゴ。一目見ただけだと40cm行ったかと見間違うほど。とりあえずテールフックが良い位置に掛かってくれて助かった。

 

2

 

しっかりパーマークが残りオレンジ色の朱点が散りばめられた魚体。しっかり食べているようでお腹もふっくらしている。弱らぬうちに緩い流れに頭を向けると、スッと深みに戻って行った。こういう魚に出逢えるのだから、藪漕ぎの苦労も報われるというものだ。

 

少し下り流れの開きをアップで狙うと今度は泣き尺クラスが2本ルアーを奪い合うようにチェイスしてきて、あっという間に片方が食らいつくき、スイッチの入ったもう一方もランディング直前までチェイスを続けるというエキサイティングな展開となった。

 

3

 

今度は薄っすらピンク色したスレンダーな1匹。尺に少し届かないくらいだったのだが、先程の魚と比べると体高は半分くらいしかないように思えた。同じ1箇所のポイントでこれ程体格に差が出るというのもなかなか面白い。そっと流れに戻し、またの出逢いに期待した。

 

本来の目的を忘れてしまうような結果となってしまったのだが、入りたかった渓流へ一区間だけ様子を見に行くことにした。着く頃には釣り始めるには遅いかなという時間。川の規模もかなり小さいので先行者の打っていなさそうなスポットを摘みながら進むと、飽きない程度に小型のアマゴが遊んでくれた。

 

4

 

小さいながらも、透明感のある魚体に散りばめられた赤みの強い朱点は、この川に足を運びたくなる大きな理由の一つである。結局渓流では、良いサイズの顔を拝むことなくこの日は竿をたたむ事となった。

 

今回のヒットルアーとなったLaks60Sは、渓流と本流で使用した感じでは、アップ・アップクロスでの通常のトゥイッチ、トゥイッチを織り交ぜながらの早巻きでも狙いのレンジを外さずにしっかりとアピールしながら泳いでくれ、アップから流し込んで行くような釣り方にもしっかり対応しており、ダウンクロスでの使用でも流れから飛び出さずバタバタと派手なアクションを演出しながらターンさせることが出来る、使い手を選ばないとてもバランスの良いセッティングになっていると感じられた。そのことから様々なシチュエーションや使い手の好みに合わせて、フックバランスを変え動きを大きくしたり逆にタイトにしたりという事がやり易いので、今後も色々なパターンをフィールドで試して探っていこうと思う。

 

【タックルデータ】

(本流)
ロッド:エンハンサーカスタム アグレッシブプラッガー EHC-HS72
ルアー:Laks60S シャートヤマメシルバーパーマーク(来年度新色)

(渓流)
ロッド:エンハンサーカタリストEHCT59ML-2
ルアー:IMERU50S LHパープルバックヤマメ(来年度新色)MHアユⅡ

 


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