栃木県奥日光を流れる湯川へとスタッフ田崎と二人で足を運んだ。今回のテーマは「ばったろう」「新型セミ」での実釣テスト&撮影。ルアーと共に来年発売予定のエンハンサー48マルチピースのテストも目的のひとつだ。
昼過ぎからの釣行なので「先行者が入っていたらちょっと厳しいかな~?」と思いながら入渓する。人気河川と言うこともあり、上流のポイントはフライマンの方たちがかなり入っている。暑い中ポイントに行くまで長い距離を歩くことになるが、半そでのウエットウェーディングスタイルなので暑すぎることもなく、快適に木道をテクテク歩きながら人の入っていないポイントまでひたすら向かって行く。
実は今回一緒に来たスタッフ田崎はまだトップでトラウトを釣ったことがない。というよりもどうもトップで狙ったことがない。半信半疑で「本当にでるんですかね~」といった感じ。なのでビシッと釣ってやらないといけない。ようやく入れそうな場所を見つけたので実釣開始だ。まずは来年発売予定のセミルアーをキャストしながら釣りあがる。
しかし、頑張って釣りあがるが魚が出ない・・・後ろからの「本当にでるんですかね~?」オーラをヒシヒシと感じる。しばらくすると良い感じの流れ。「ここは期待できる!」するとキャストして直ぐにバシャっと水しぶきがあがる!
「ヨシッ!!」とフッキングを決める・・・正直いうと派手な出方にびっくりしていました・・・ただ見た目には分からないだろう。幸いなことに、びっくり合わせでワンテンポおくれた為、しっかりとフッキング。トップはチョイ遅めの合わせがキモなのです。「どうよ~田崎~」と思いつつ寄せてくると、あらびっくり。ブルックトラウトがウグイになっていました(そんな分けないな・・・)。しかも小さいお口にしっかりとフッキング。どう考えてもその口にセミは入らないだろうよ・・・しかしトップで釣った貴重なお魚だ。ミノーやスプーンで、外道として釣れてくるときはがっかり感が半端ないがトップで釣れるとちょっとだけうれしい。
この一匹をみてスタッフ田崎もやる気が出た様子。先行させると気合をいれてキャストしている。ただ悲しいかな結果が出ない・・・まだ自分自身での成功体験がなく、出たのを見たといってもウグイ。なので集中力も続かない。ライントラブルをしていたので、自分がもう一度先行することにした。
こまめに「セミ」と「ばったろう」のカラーを入れ替えながら釣りあがる。しばらくして、なんとなく002ツマグロカラーを選んでキャスト。すると下から黒い影が上がってショポッと「ばったろう」にアタックしてきた。今回あがってきたのは本命のブルックトラウトだ。サイズは大きくないもののトップで釣れると非常に満足感が高い。
これを見てスタッフ田崎のテンションも回復だ。スタッフ田崎が頑張って投げているとやっと待望のアタック。ボコッとルアーに出たがフッキングミス。「あっ~」と思いきやもう一度ボコッと出てくれる。一瞬あわせが遅れたおかげか、しっかりとフッキンングして本命のブルックがあがってくる。
先ほど自分が釣ったものよりもちょっと大きい・・・内心「チッ!!」と思いつつも、先輩らしく「ナイスフィッシュ!!」と一応ほめておく。そして一匹出たところで今度は自分が先行する。良い流れでバシュッと何度か出てくれたがフッキングしない。ただ下流でやっていた時よりも明らかにやる気のある魚が多いようだ。
しばらく釣っていると「ばったろうに」飽きたのかスタッフ田崎が「新しいセミ使いたいです~」と生意気なリクエスト。しょうがないので貴重なテストサンプルを渡してあげる。これが自分的には失敗であり、テスト的には成功であった・・・あろうことか後ろで釣られました・・・しかもサイズアップ・・・。
その後、バイトはあるもののフッキングせず、挙句の果てにライズを見つけたので気合を入れて投げたらウグイさん・・・一応一匹なので先行を交代だ。すると好調のスタッフ田崎。コツをつかんだのかすぐさまもう一匹追加する。再び先行となったが、その後は人が入っていた為か極端に反応がなくなりそのままストップフィッシング。
蓋を開けてみるとお互いトップで三匹ずつだが、自分はウグイ二匹とブルック一匹・・・スタッフ田崎はブルック三匹・・・確かに3匹ずつだけどさ・・・なんかものすごくやられた感が強いのですが・・・まあ、今回はトップウォーターフィッシングで釣れると言うことを体感してもらうことと、セミで結果を出したことでよしとしておこう・・・派手に水飛沫をあげるトラウトに興奮してくれたと思う。
新型セミもほぼ完成。ソフトシェルシケーダーと同じ発泡素材なので着水音がABSと違うこと、咥えた時に少しつぶれてくれるのでフッキングが良いことが特徴。羽の素材はフライマテリアルで人気のメルティーヘアーだ。水なじみがよいので水面に付くとぱっと広がってくれる。濡れた状態ではぺタッとボディーに張り付くのでよけいな空気抵抗がなくストレスなくキャストできる。羽は自分で好みのマテリアルに変更するのも簡単なので色々とチューニングして欲しい。
「ばったろう」も思った通りの結果を出してくれた。カラーローテーションは重要で、今回は特に002ツマグロがよかった。黒、茶、ピンク、白も投入したが001トノサマと002ツマグロ以外バイトはなし。001トノサマのお腹も薄黄色なのでこれがポイントだったのだろうか?最後の写真は001トノサマで出たのだが残念ながらフッキングしなかった。シルエットも細く、引いてくると水面をロールしながらやってくるのでセミとの使い分けもできる。川だけでなく湖でセミの替わりに投げてみるのもお勧めだ。
ロッドテストの方も悪くはなかった。かなりのファストアクションの為に、シンキングミノーやヘビーウェイトミノーの使用は問題ないのだが「ばったろう」「シュマリ44F」等の軽量プラグのキャストに不安があった。しかしティップからベリーにかけてウエイトを乗せてキャストできるので問題なし。逆に小場所でスナップを効かせたキャストは非常に調子がよい。ガイドセッティングはもう少し煮詰めていかないといけないが、あと少しでアクションOKになりそうだ。
ロッド:エンハンサー48マルチピース(プロト)
ルアー:トリックトラウト ばったろう TBB-002ツマグロ、ソフトシェルタイニーシケイダー(プロト)
スタッフ田崎の目線からのブログ記事はこちらです。
トラウト開発担当 本多