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アンダーハンド釣行記

Fly Fishing社員ブログアンダーハンド釣行記 黒部源流イワナとの夏休み

2012.07.26

黒部源流イワナとの夏休み

7月の上旬に早目の夏休みをもらい、僕と妻、そして開発課の姫野さんの3名で5泊6日の北アルプス黒部川源流域イワナ釣りへ行ってきた。黒部川源流はいくつかの「廊下」というゾーンに区分けされているが、今回行ってきたのは「奥の廊下」と呼ばれる、最上流域に位置するゾーンである。そこの黒部川沿いに位置する薬師沢小屋をベースにして、黒部川本流と支流の薬師沢で釣りを満喫した。

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標高2000m以上でも、こんなに渓は開けている

 

梅雨と雪代の影響で川は増水気味であったが、アプローチに要した初日・2日目以降は雨も降らず、釣りをした3日間はまさしく「夏のイワナ釣り」であった。黒部川の水は確かに冷たかったが、ネオプレーンゲーター・ソックスのおかげで、この時期でも身軽・快適・安全に釣りをすることができた。ただし増水でポイントが絞りづらく、ポイント数は半減し、落ち込みなどでは激しく波立っていたために「大イワナのサイトフィッシング」という黒部本来の楽しみ方は出来なかった。残念!! それでも3人それぞれ、数えきれないほどの無垢なイワナ達と出会うことができた。

 

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黒部源流のイワナは、眼とヒレが異様に大きいのが特徴

 

黒部川は源流といえども渓が開けていて、激しい流れをまたいでポイントを狙う必要もあるため、長めのロッドの方が断然有利だ。今回僕と妻は、それぞれクロスS1の386-4と、オプティクリークの388-4で挑んだ。他にもエヴォテック486-3やオプティクリーク282-3なども選択肢としてあるが、移動時の仕舞寸を考えると4ピースロッドの方が具合がよいだろう。

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しなやかなクロスS1-386は、オーバーヘッド・アンダーハンドどちらでも秀逸

 

源流イワナが相手なので、本来ドライフライだけでも十分楽しめるのだが、今回は増水気味ということもありニンフやウェットも駆使することになった。リーダーシステムはトラウトリーダー5Xをベースとしてドライやニンフ使用時はティペットを長め(100cm~180cm)に加え、ウェット時はティペット部を切り詰めて4Xのティペット(ドロッパーは3X)を接続した。

 

渓が開けていて基本的にオーバーヘッドが可能な状況でも、激しい流れや大岩によって立ち位置が限定されることが多々ある。アンダーハンドキャスティングが行えれば、無理して激流に立ちこむ危険を犯したり、無用に魚へ近づくことを無くすことができる。また、アンダーハンドキャスティングへの理解が、釣りの細かい所作において何かと役に立つことを今回改めて認識した。例えば大き目のドライフライ・ニンフ・ドロッパー付きウェットフライなどをピックアップする際にも、アンダーハンドキャストの前半動作で、方向転換を行いつつ一気かつ静かに行うことができる。つまり、厳しい条件・環境のなかでも、非常にスムーズな釣りを安心して続けていくことができるのだ。

 

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アンダーハンドキャスティングを駆使して、難しいポイントを狙うのは非常に楽しい

 

下界と切り離された黒部源流で、五感を研ぎ澄ましながら釣りをしていると、自分が山と空と水のシンプルな関係性の中に身を置いていることに気づく。シンプルな世界でスマートな釣りをするのは、この上なく気持ちの良い経験であった。今年は残暑が長く厳しいようだ。黒部、この夏中にまた行きたいな。

 

企画営業課 松下


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