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アンダーハンド釣行記

Fly Fishing社員ブログアンダーハンド釣行記 カディスが誘う40cm大ヤマメの巻

2012.10.03

カディスが誘う40cm大ヤマメの巻

サンバ(台風16号)の通過後、増水の引き始めのタイミングを狙って宮崎県内を流れる本流へと釣行。狙いは大ヤマメだ。川へ到着すると、想像より少しだけ水量が少ないものの、まだまだ増水している。これなら大ヤマメも動いているかもしれない。それに釣り人の姿も見えない。ラッキーだ。逸る気持ちを落ち着かせながら、LOOPマルチロッド9ft 4番にオプティドライフライリールをセット。ラインはオプティストリームラインWF4F、LOOPマルチライトリーダー12ftに4Xティペット3ft。フライはマダムX #8を結んだ。支度をすませ、最初に決めていたポイントへ入ることにした。

広いプールなので、ヒラキから順に、掛け上がり、水中に見える大岩など、気になる場所は一つずつ時間を掛けて流していく。そこに大ヤマメが潜んでいるのかどうかは確証が持てないが、ここにいると信じて丁寧に釣っていく。プール後半は水面が静かなため、水際から離れた位置からゆっくりとしたテンポのオーバーヘッドキャストでフライを静かにぽとりと落とすようにプレゼンテーションする。プールの半分を釣って、出るのはカワムツだけだった。

流れ込みに近付くにつれ、背後のスペースが限られてくるためアンダーハンドキャストに切り替える。アンダーハンドキャストは水面で水切り音を出さないので余計なプレッシャーを魚にかけずにすむ。ジワリジワリと投げる位置を変え流れ込みまで来たが、まだカワムツ意外の反応がない。そして全ての流れを流し終えたがヤマメの反応は得られなかった。

それでもまだ探りきれていない気がしたので、フライをエルクヘアカディスの#8に変え、誘いを掛けながら一度釣ったところを釣り下ることにした。ここまで来ると集中力が切れ始め、やや乱雑に誘いを掛けてしまう。大ヤマメを釣りあげるつもりが、もし反応が見られたらラッキーというくらいの気持ちになっていた。

しかし、その時は突然やってきた。

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カディスフライが活躍

踊りながら流れを横切るカディスに突如大きな魚が出た。「ヤマメだ!」しかも40cmくらいある。瞬間的にフライの動きを小さくしたのだが掛からなかった。一気に緊張が高まった。気持ちを落ち着かせ、次のキャストでフライをあまり大きく移動させないよう心がけ誘う。

「出た!」しかしまたしても銜え損なわせてしまった。できるだけ逆引きし過ぎないように気をつけたつもりだったのだが上手くいかなかった。サイドポジションを取れれば掛け損ないが少ないのだが、足場の制約上ダウンストリームアプローチしかできない。これまでの経験上、大ヤマメが2回以上出たことがないので、もう望みはないかも知れないと覚悟した。それでも祈るような気持ちで次のキャストをして、再び誘いを掛けた。
「釣れてくれ!」なんと、思いが通じたのか3度目も出てくれた。しかし、またしても掛けられなかった。今度は水面直下だった。もう終わってしまったかもしれない。今日の大ヤマメの活性に一縷の望みを繋ぎ、ひたすら祈るように半沈みのカディスで4度目の誘いを掛けた。今度こそ引きすぎないように。そして、遂にその時が来た!

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カディスに出た!

今日の私は本当に運があった!4回もフライに出てくれたのだ。しかしながら、流れの中で掛けたのでフッキング状況が分らない。掛かりが浅く身切れしてバラすこともあるので、テンションをあまり掛け過ぎないようゆっくりファイトすることにした。あろうことか、ランディングネットは持っていなかったのだ。あまった手元のラインを素早くリールに巻き取り、リールファイトに備えた。
こういう時、ラージアーバーリールは巻き取り速度が速く、魚の走りに遅れをとることがないので安心だ。ロッドも、魚の走りに対しロッド全体がしなってくれるので必要以上に暴れさせずにすむ。
過去、バットの強い#4ロッドで大ヤマメを掛けた時に、バットまでしなったとき急激に突っ張ってストップが掛かるので、驚いた魚が何度も方向転換をして激しく抵抗し、挙句の果てに身切れさせてバラした苦い経験があった。充分に時間を掛け、何度かの突っ込みをいなして浅瀬へ誘導し、無事にハンドランディングに成功。

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見事な40cmヤマメ

この魚を逃したら何時またチャンスが訪れるのか分らないと、最後までドキドキが止まらなかった。自己最高となる40㎝の見事な大ヤマメだった。

江本紀夫


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