今回は以前からこの時期に行くと決めていた丸秘ポイント。大物が入っている可能性が高く、アプローチも両手を空けないと行きにくい厳しい場所と言う事もあり、テスト中のパックロッドにピッタリなのだ。何年か前に来たときよりも入りにくくなっていると聞いていたため、カナビラやハーネスまで準備をしていたのだが、ポイント到着後に袋から道具を取り出すと、あろうことか大事なロープを入れ忘れ・・・
いきなり出鼻をくじかれたがガーミンのハンドGPSを取り出し、等高線を確認しながら斜度のゆるい所をさがして何とかポイントまで到達することに成功する。早速テストロッドのエンハンサーカタリストEHCT48ML-4にラインを通しプロトミノー50Sを結び、丁度目の前にある木が邪魔で狙いにくいポイントからキャスト。何時ならもうチョイやさしい所からスタートするが、移動するのも面倒だったのでチャレンジしてみる。
すると珍しく一投目からキャストが決まり、良型ヤマメが釣れてくれた。ここでサイズをメジャーで測ろうとしたが入れ忘れ・・・最近忘れ物が多い気がする・・・
この後は20cm程度のヤマメとイワナを追加しいかにも大物がたまりそうなポイントに到着。しかし先ほどよりも倒木が入り組み、なおかつルアーを通したいラインにも木の枝が沈んでいる・・・仕方がないので慎重に近寄り手前の岩からキャスト。すると岩下から何匹かミノーを追いかけてきた。その内の一匹は明らかに40オーバー! 狙っていた潜水艦サイズだ!
リトリーブできる距離が短いので食わせのタイミングが難しい。一発で喰いついてくれたらよかったが残念ながら大物はそこまでアグレッシブな状態ではないようだ。逆に小型の方がやたらとアグレッシブに見える。しかし続けて何投かしてみるものの、どのサイズも口を使ってくれない。
「ちょっと奥に投げて長く見せるか」とリトリーブコースを変えると何と奥からも40オーバーが追いかけてきた。これもキャストしたところが微妙だったために途中で反転・・・埒が明かないので立ち位置をややダウンクロスに狙えるようにチョイと変更する。
あまり大きく回りこめる場所ではないのでゆっくり、そして足音を極力立てないように回り込んでピッチングで静かにアプローチ。先ほどよりもちょい沈めるイメージでちょんちょんと誘うとグンッとティップが押さえこまれた。「どうよ~!!」と思いながらあわせると「???もしかしてちいさくね?」となる。上がってきたのは尺には足りないが顔つきがいかついイワナさん。
いつもならうれしいのだが今回は微妙だ・・・悲しいかなこれで警戒されたのかその岩下からの反応はなくなってしまう。しかし、今回は直ぐ上にも潜んでいるのが分かっているので気を取り直しそちらにチャレンジ。同じ立ち位置からややアップクロス気味にピッチングで静かにアプローチ。ルアーがなじんだ所でトゥイッチをかけると後ろから狙い通りのヤツがやってくる。
「この勢いでくるなら喰うでしょ!」と同じ水深で流れていくようにミノーをコントロール。するとそのミノーをひったくるように横から小さい影が・・・悲しいことにこのような時に限ってガッツリとフッキングしてしまう。そしてミノーにヒットし暴れるチビイワナの近くをウロウロした後、スーッと戻る大イワナを呆然と見送る自分・・・案の定そのポイントを再び攻めるも潜水艦は浮上してこなかった。
がっくりしつつもまだ上流にポイントは残っている。途中で良型イワナを追加しつつ本命ポイントに到着した。アップにキャストすると岩陰からまたもや潜水艦が登場! ちょっとミノーを追った後にそのまま上流の落ち込みに消えていく。それを狙って落ち込みにミノーを入れてワントゥイッチ! グッとティップが入ったのだが・・・見事に根がかりです・・・
ラインを切って後から取りに行くことも考えたが付いているのはプロトミノー・・・「なくせね~」と泣く泣くポイントに入って回収。落ち込みの下に木の枝とかは反則だと思います・・・そこから上は堰堤があり、その上は余り太い流れではないので潜水艦クラスの大物は正直期待出来ない。「まあ、数が出てくれればいいかな~」と釣りあがるとイワナがポツポツとヤマメがポツリと釣れる。そんな中で何とか出てくれたのが30後半のイワナさん(メジャーがないので測れない)。
ちょい遠めでかけたのでフッキングする場面も見えず、あまりドラマは感じなかった。そして、なかなかのサイズなのだが先ほどの魚を見ているのでとちょっと複雑だ・・・贅沢なのは分かっているが釣人の性なのでしょうがない。この後は25クラスの良型を中心に数も出てくれて楽しい時間が続く。
進んでいくと水深の浅い所が中心になってきたこともあり、プロトのシンキングミノーからシュマリ44Fにチェンジ。やはり調子よく釣れ続け、最後と決めたポイントで尺超えのイワナさん。底石が白っぽかったためか先ほどのイワナに比べて色が薄い固体だ。
先ほどよりもサイズは落ちるが、追いかけてきたところちょっとストップさせ、狙い通りに喰わせた納得の一匹。こちらの思い通りのタイミングでヒットしてくれるとサイズにかかわらずうれしいものだ。この一匹で釣り上がりをやめ「もしかするともう忘れてくれているかな?」と一番初めの潜水艦ポイントに戻ることにした。
ロッドをたたんでザックに仕舞い「やっぱり両手があくのは楽ちんだ~」両手をフリーにして川を下っていく。やっとこさポイントに到着し、タックルを再セット。慎重にキャストするも何の反応もない・・・「やはりソコまで甘くなかったか・・・」と思いつつしばらく粘ったがやはり反応なし。時間も押してきているので「残念ながら今回も潜水艦を撃沈することはかなわなかった・・・」と思いながら退渓することにし、朝入渓してきた所まで戻ることにした。
そして退渓するために登るところを探すのだが方向音痴の自分としては入ってきた所を見失っておりなかなかコースが見つからない。素直にGPSの軌跡を見れば良いのだが「ここから行けるんじゃね?」と決めた斜面にむかうと・・・これが地獄のはじまりでした・・・続く
【タックルデータ】
ロッド:エンハンサーカタリストEHCT48ML-4
ルアー:プロトミノー50S、シュマリ44F#204ワカアユ+、
開発担当 本多