【フライキャスティング】 クリーピングとドリフト。毛ばり釣り入門

フライフィッシング入門

ステップアップ

STEP 11「フライキャスティング | クリーピングとドリフト」

避けるべき「クリーピング」現象

ストロークのストップ後、ロッドをどう動かすかによってキャスティングの効率が大きく異なってきます。ここでは、避けるべき現象である「クリーピング」と、修得したい「ドリフト」というテクニックについて学んでいきます。

キャスティング上達の道の落とし穴
バックキャスト

私たちは後ろに目がついていません。キャスティングのタイミングやループの状態を常に確認できるフォワードキャストと異なり、バックキャストは常に自分の背後に伸びていますから、観察が難しいのは事実です。しかし、このバックキャストにこそ、上級者へのステップアップを阻む落とし穴があります。長年経験を積んだキャスターにも、この落とし穴にはまっている人を多く見かけます。それはほんの小さな動作なのですが、「クリーピング」と呼ばれるその現象は、キャスティングの効率をじつに悪くしてしまうものなのです。

クリーピングとは?
クリーピングとは

「クリーピング」とは「じわじわとにじり出る」という意味ですが、どんな現象をさしているか、お分かりになるでしょうか?バックキャストのストップを行ったら、後ろにラインが伸びきるまではロッドは停止させておくことになっています。ところが実際は、多くの人がこのポーズに耐え切れず、理想のタイミングが来る前に、手を移動させはじめているのです。つまりフォワードキャストの出発点を、本来の地点から前に移動させていることになります。これは性格的なせっかちさ、あるいは魚を前にした興奮などが理由で起こるのかもしれませんが、特に、身体全体でリズムをとるようなキャスティングを身につけてしまった人に多いように思われます。

クリーピングの悪影響

では、その悪影響とは何なのでしょうか?フライラインは、一直線に伸びきるまでは力が伝わりません。ところが、バックでの待ち時間が十分ではなくクリーピングを起こしてしまうと、腕の振り幅の一部が、ラインの方向転換とラインのたるみを吸収するためだけに使われてしまうのです。普通の人がフライキャスティングをしている時、手の移動距離はせいぜい1mです。しかし、そのうちの30cmをクリーピングしてしまうとしたら、これは大きな無駄ですし、実際のダメージは飛距離の30%ダウンにとどまらないほど大きいものです。

クリーピングの矯正方法

クリーピングの癖を直すには、動画でループのタイミングと手の動きを同時に撮影するか、友人やインストラクターに見てもらうのが近道です。クリーピングせず、ロッドを止めた手はそのままでループが伸びきるタイミングを待つのが良いキャストなのですが、さらに効率的なフライキャスティングを目指すなら、次に説明する「ドリフト」というテクニックを知っておくと良いでしょう。

習得すべき「ドリフト」テクニック

ドリフトの意義
ドリフトの意義

ループがターンオーバーして伸びきる時には、ロッドティップのぶれなどにより、ラインにはどうしても若干のたるみができてしまいます。ストップ位置でロッドを止めておくだけのストロークではたるみを吸収できず、効果的なキャスティングが難しくなる場合もあります。そこで考えられた、たるみを吸収させるテクニックがドリフトなのです。

ドリフトのやり方
ドリフトのやり方

ロッドを止めてループができ始めたらその進行方向に手を送り、距離をかせぎます。そうすれば、ラインが伸びきる時の手の位置は、ストップ位置からかなり送りこまれているので、その差でラインのたるみを吸収し、同時にロッドティップのぶれも最小限に抑えることができます。前へのストロークをはじめ、手が通常のストップ位置に来た時には、もうラインはピンと張って、パワーを伝える準備は万端なはずです。ドリフトの距離は、ラインにできるスラックの量、あるいはキャスティングする距離によって変化しますが、エキスパートたちはどのようなキャスティング距離でも、ドリフトをストロークに組みこんでいるものです。

次のレッスン (ここから先はさらにレベルアップするためのアドバンストレッスンとなります。)

STEP 12 「ファイティング・テクニック」